弘法大師を宗祖とする真言宗の専門誌。(旬刊・毎月5、15、25日発行)
会社名 | 六大新報社 |
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代表者 | 喜多村龍介 |
創業 | 明治23年1月21日 |
設立 | 明治25年4月27日第3種郵便物認可 |
所在地 | 京都市下京区和泉町522番地4 好日居マンション藍染下坂101号 (地下鉄五条駅近く) |
事業内容 | 機関誌発行 |
電話 | 075-354-3232 |
FAX | 075-354-3233 |
前身誌である『伝灯』第1号は、明治維新とともに燃え拡がった廃仏毀釈の余燼まだ消えやらぬ明治23年1月21日、真言宗伝灯会の機関誌として世に出た。徳富蘇峰の『国民新聞』創刊に先んじること10日。初代主筆和田大圓は後の勧修寺門跡。真言宗内きっての布教の大家で、歌人与謝野鉄幹の実兄。与謝野晶子の義兄にあたる。晶子の有名な短歌「柔肌の熱き血潮に触れもせで寂しからずや道を説く君」は生涯独身を通した和田大圓を皮肉った歌だと言われている。後年与謝野鉄幹は兄が主筆を勤める『伝灯』誌に憧れて歌誌『明星』を創刊した。
明治36年『伝灯』は『六大新報』に改題。第二次世界大戦中の厳しい統制の中でも多くの誌紙が廃刊の憂き目に遭う中、本誌は特に京都府知事の要請により存続させられ、今年(平成21年)創刊119年の日本最古の宗教新聞となった。
発刊当初の母体は「祖風宣揚会」で、弘法大師の済世利人の教えを現代に宣揚し、併せて社会事業を推進すべく同宣揚会が掲げ実践した四大事業の新聞発行・慈善病院の経営・人材養成(学校教育)・海外開教の実践、の第一事業として『六大新報』が創刊された。
なお、慈善病院の経営は、日本初の慈善病院、「済世病院」となって実現し、のちの恩賜財団「済世会病院」のモデルとなった。
大正デモクラシー時代には、大杉栄らの無政府主義者による過激文書が六大新報印刷部で密かに印刷配布されて、警察・検察による大捕り物が演じられたりしたが、それら風雪の歴史は六大新報創刊百周年記念出版の『真言宗百年余話』に詳しい。
『六大新報』の歴代主筆には、南方熊楠と親交のあった土宜法龍など、後年門跡管長となって真言宗内に重きをなした人物が多い。
◇歴代主筆 【年代(発行号数)/最終地位・遷化日・年齢(数え年)】
(初)和田大圓【明治23年1月21日(創刊号のみ)/勧修寺門跡・昭和7年6月5日・74歳】
(2)土宜法龍【明治23年2月~明治25年2月(第2号~第26号)/金剛峯寺座主・連合総裁・大正12年1月10日・70歳】
(3)広安恭壽【明治25年3月~明治27年9月(第27号~第77号)/福山福盛寺・権大僧正・大正11年9月4日・66歳】
(4)山縣玄浄【明治27年9月13日~同年11月28日(第78号~第82号)/高野山光明院住職・明治36年9月30日・38歳】
(5)長谷宝秀【明治27年12月~明治28年3月18日(第83号~第90号)/京専(現種智院大学)教授・大僧正・昭和23年2月17日・80歳】
(6)菅 学應【明治28年4月~明治29年12月13日(第91号~第131号)/慶応大学教授・昭和7年9月12日・66歳】
(7)石堂慧猛【明治29年12月28日~明治40年11月(『傳燈』第132号~『六大新報』第221号)/仁和寺門跡・昭和18年8月27日・76歳】
(8)高見寛應【明治40年11月14日~明治44年4月(第222号~第396号)/京専教授・昭和22年3月17日・76歳】
(9)蓮生観善【明治44年4月30日~大正3年9月30日(第397号~第575号)/善通寺法主・昭和33年12月2日・86歳】
(10)曽我部俊雄【大正3年10月4日~大正8年7月6日(第576号~第768号)/仁和寺寺務長・金剛流流祖・昭和24年10月7日・77歳】
(11)宮崎忍海【大正8年7月13日~大正13年2月20日(第769号~第1052号)/仁和寺執行長・顧問・昭和50年3月24日・87歳】
(12)蓮生観善【大正13年2月27日~大正14年1月11日(第1053号~第1097号)/前掲】
(13)高橋慈本【大正14年1月18日~昭和2年4月3日(第1098号~第1211号)/古義真言宗教学部長・社会福祉法人「悲田院」経営・昭和20年5月23日・67歳】
(14)真井覚深【昭和2年4月10日~昭和3年2月5日(第1212号~第1253号)/古義庶務部長・高野山耆宿・仁和寺顧問・昭和15年7月20日・68歳】
(15)栂尾密道【昭和3年2月12日~昭和7年5月28日(第1254号~第1485号)/現職・昭和7年5月28日・44歳】
(16)児玉雪玄【昭和7年9月11日~昭和12年3月31日(第1486号~第1713号)/種智院大学教授・仁和寺顧問・昭和40年9月28日・72歳】
(17)松本隆寛【昭和12年4月1日~昭和46年3月31日(第1714号~第2981号)/大僧正・兵庫遍照院名誉住職・平成7年1月5日・93歳】
(18)今井幹雄【昭和46年4月1日~平成20年1月1日(第2982号~第4142号)/大覚寺耆宿・大僧正・京都松寿寺住職・平成20年5月4日・78歳】