
令和十六年に迎える宗祖弘法大師御入定千二百年御遠忌に向け、各派で準備が始まっている。宗祖御廟奥之院を信仰の源泉とする高野山真言宗では、すでに記念事業が緒につき、御廟の拝殿である燈能堂の改修工事が竣工。美装を施し、弘法大師御入定所に最も近い地下法場に緊急時の避難階段を増設し、記念燈寵堂前にはスロープを新設する等、荘厳と安全性を両立させた。長谷部真道管長導師による九月十二日の改修落慶法会は、大法会お待...
戦後八十年目の夏を迎えた。広島、長崎への原爆投下、大都市を中心とした無差別な空襲。日本中が焦土と化した。それから八十年が経過した。その間も世界各地で戦火は止むこともなく、無事の人々が傷つき倒れている。 一方で、この八十年間で、戦争を行わずに、日本は平和を維持してきた。悲惨な敗戦を経験したからこそ、戦争を絶対に繰り返してはいけないという強い決意があった。その決意を支えたのは、悲惨な戦争を経験した世...
八十年前の昭和二十年六月十九日深夜、福岡大空襲を行ったB29の編隊の一機が軍事施設と無縁の農村地帯に焼夷弾を投下した「雷山空襲」で、子供を含む八名が犠牲となった。地域を襲った猛火の中で興福寺も、本堂や庫裡を焼失。爆風で頭部が飛ばされた石仏の地蔵尊が今も境内に祀られている。 平和の為に戦争の悲惨さを語り継ごうという地域の要請に応え、行政は戦争の傷痕を視覚的に訴える案内版を設置、そこに「首なし地蔵尊...
高野山真言宗では、春季宗会で決定した志納型宗費制度の令和八年度からの自己申告開始に向けて、各支所の現場レベルでの説明が始まっている。 現場では、自己申告した賦課金が、どのような施策に活かされるかに関心が集まっていた。災害時の復興支援や困窮寺院の存続、あるいは解散合併の支援、子弟教育と後継者問題など、宗派でなければできない末寺を支える施策の可視化がより重要性が増していると感じた。 志納型宗費制度...
ローマーカトリック教会のフランシスコ教皇が逝去された。人々を分断する壁ではなく、人々が連帯するための橋を架けることを呼びかけ続けた生涯だった。そのメッセージは、平和を求める人々にとって国・民族・宗教の垣根を越えた共通の行動指針となっている。分断を超克する橋とはなにか。 今、世界は超大国が主導する関税という経済的分断、ウクライナやミャンマーなど各地で続く戦争・内戦という命の分断で覆われている。イン...
文部科学省が解散命令を請求した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について東京地方裁判所は、去る三月二十五日、宗教法人法に基づく解散命令を下した。同法の「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」の要件を満たしたためである。民法上の不法行為の根拠は初めてである。 福岡市在住で全国統一教会被害対策弁護団の副団長である平田広志弁護士は「昭和六十二年頃から被害が多発し、特に高齢者の先祖崇拝や先祖...
高野山真言宗では春季宗会に於いて、各寺院・教会の収入額を査定する財務調査に基づいて負担指数を決定し宗費を賦課する現行制度を廃止し、各住職が自ら決めた金額を毎年賦課する「自己申告制」に変える規程改正案を承認した。これにより、宗費は賦課金であると同時に、限りなく志納型に近い性質になったと思われる。 宗費制度改革の最大の趣旨は、これまで原則五年毎に実施され、直近では令和五年になされた財務調査では、地域...
今年は第二次世界大戦終結から八十年。我が国にとっては国土が焼け野原と化した敗戦から復興して八十年の節目を迎える。そして来る四月十三日から十月十三日まで、大阪・夢洲に於いて半世紀ぶりに二〇二五年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)が開催される。世界を巻き込んだ八十年前の終戦から今日までの歩みと、世界が「いのち輝く未来社会のデザイン」のテーマのもとに集う大阪万博に共通するメッセージは、平和の尊さで...
今年は第二次世界大戦の終結八十年、阪神淡路大震災から三十年、オウム真理教の地下鉄サリン事件から三十年、日航機墜落事故から四十年を迎える。全てが人類史上に繰返してはならない教訓を刻み、今も警鐘を鳴らしている。 核という人類抹殺兵器が用いられた世界戦争、高度に発達した現代の大都市が初めて直面した大災害、科学技術の粋を集めたジャンボ旅客機の制御不能による未曾有の大事故、若者たちを狂信させたカルト宗教団...
本年一月十七日、平成七年の阪神淡路大震災から三十年を迎えた。発災直後、私も青年教師会の一人として神戸市長田区の被災寺院で行われた炊き出しのボランティア活動に参加した。困難な状況下にある御住職や寺族、また住民の方々と直接接し自分自身が出来ることを精一杯させて頂こうと思った。二月初めの厳しい寒さの中、一杯の温かい食事を手にして、お互いに支え合い感謝し、励まし合う人々の姿を見た。 その経験から三十年を...