我が事として平和を継承する

投稿日:2025年11月25日

戦後八十年を迎えた令和七年も、残すところ1ヵ月余りとなった。本宗では、青年教師が広島や長崎の被爆地での被爆体験者からの貴重な体験を聞き、慰霊法会や世界平和祈願法要を積極的に営んできた。
去る十一月六日には智山青年連合会による「戦後八十年戦没者慰霊法要」が営まれ、第一部では「記憶を記録する」をテーマに、特攻隊に所属していた祖父の先代住職の手記や記録をもとに映画を製作した青年教師の内田寛崇師の講演が東京別院真福寺で行われた。第二部の千鳥ヶ淵戦没者墓苑での慰霊法要では、導師を勤めた原祥壽会長が廻向文で、レイテ島で戦死した兵士が身重の妻に送った手紙を引用し、表白の際に、感極まり涙する姿があった。
今回の内田師のように祖父の手記や記録をもとにして映像化し、若者の目線で、戦争と平和の想いを伝えようとする新しい試み、また廻向文の中に手紙を引用して表白する原会長の姿、そこには、直接当事者からは聞くことはできなくても、残された貴重な記録や手記、手紙を読み、我が事として戦争と平和を継承していこうとする姿を強く感じた。また高野山真言宗が昨年から「平和のための戦時資料収集」を行っているが、その目的には、宗団を構成する全ての人が、平和を次世代に継承してほしいという願いが強く込められている。今後も多くの青年教師に関心を持ってもらいたい。
戦没者の慰霊を行うことは、二度と戦争を起こさないこと、平和実現への願いを誓うことでもある。
青年教師が戦争犠牲者や戦争経験者への同悲の心を忘れず、平和を我が事として継承する姿に、大きな光明を感じた。