戦火に苦しむ人々に人道支援を

投稿日:2023年11月25日

イスラム組織ハマスが実効支配するパレチスナーガザ地区にイスラエル軍が侵攻、特に最も人道支援活動の場として尊重されなければならない病院が、ハマスが潜伏しているという理由で激しい攻撃を受けている。
本年は弘法大師御誕生一二五〇年の年であり、本誌は全てのいのちを「貴物」として尊重することを訴えてきた。また仏教徒は「殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ」との『ダンマパダ』 (法句経)の教えの如く、不殺生戒の遵守を求められている。私達は紡がれてきたいのちや想いを大切にしてきており、今の惨劇を真言末徒、また仏教徒として座視することはできない。即時停戦と平和を訴えるものであり戦争は最大の罪悪であると強く訴えたい。
しかし、現実は複雑な中東の歴史的、民族的、宗教的、政治的な背景の中で、攻撃は激しさを増し、無事の市民、特にこの世に生を享けての問もない新生児やいたいけな無垢な少年、少女までが殺戮され、負傷している現状は地獄絵そのものである。今この時にも、その地獄絵は残酷さを増している。
今私達が出来ることは何か。その極限状態の中で、生命をかけて活動している人々に対して連帯の意思を表明し、支援することではないか。
ウクライナやミャンマー等でも戦火が止む気配はない。戦地で活動している国際機関や民間団体が発信している情報を常に確認して協力する準備をしておく必要かおる。今回もユニセフや国境なき医師団等、現地で活動する団体の情報はSNSの発信により入手可能で、支援の方法も知ることができる。
私達一人一人による人道支援の働きかけが喫緊に求められており、戦火に苦しむ人々のための大きな力になると信じている。