二重被害の苦難の中で出来る支援は

投稿日:2024年10月05日

石川県能登地方では、地震と水害という自然の猛威がもたらした二重被害の中で、寺院存続に関わる被災も生じているが、今、私達に何かできるのか。
本年一月の地震により甚大な被害を受けた能登地方に、今回更に記録的な豪雨が襲い、進まない復興状況の上に、より壊滅的な被害を与えた。本宗ばかりではなく他宗派も含めて、改めて再興の道を歩み始めようとしていた寺院は地震と豪雨水害という複合災害の中で将来の見通しも立たず、厳しい現実に直面している。被災寺院から「能登のことを忘れないでほしい」との切実な声を聞いたが、如何にすれば被災地に寄り添い続けることが出来るのか。
高野宗では、一月の被災に対し能登支所全寺院と北陸三支所の被災寺院に全国から寄せられた義援金を届けている。また現地では、青年教師が中心となり被災寺院の復興のためのボランティア活動を今も続けているが、宗派を超えたボランティア活動や被災者の傾聴活動なども続けられている。
寺院は檀信徒や地域住民が集う場であり、「地域の=ミュニティの中心、人々の心に寄り添う心のケアを行う場所」でもある。
被災寺院の「自助」が厳しいなかで、宗団として、また共に本宗宗徒として「共助」の姿勢を忘れないことが大切である。さらに、行政に対して寺院が「公助」の場であることを強く打ち出し、行政と連携しての被災者支援活動を実践する場として位置付けることも必要である。
「自助」「共助」「公助」を密接に関連させながら、寺院と地域の復興に向う住職や被災者の「自助」に寄り添い続ける、物心両面からの「共助」を絶えず届けることが、私達に出来る重要な務めである。