阪神・淡路大震災二十三回忌を迎えて

投稿日:2017年04月26日

本年は阪神・淡路大震災から二十二年目を迎えた。全日本仏教会では、平成九年に財団創立四十周年を記念し神戸・大本山須磨寺内に大震災の大惨事を風化させることなく、犠牲者追悼の丹誠を捧げるため、物故者追悼碑を建立しているが、去る一月十六日も同山で創立六十周年記念として二十年ぶりとなる二十三回忌逮夜法要を厳修した。六千四百名以上が亡くなり、多くの寺院が被災し、本宗関係者にも犠牲者が出るなど甚大な被害が出てから二十二年、新たな問題として、契約期間二十年を盾に、自治体が借り上げた復興住宅に入居する高齢の被災者が退去を求められる事態も発生している。
道路や建物等ハード面の復興は完了したが、精神的なケアを必要としている被災者は多い。震災直後、青年教師としてボランティア活動を行った本宗教師の中には、震災の影響により職場が遠くなり、その結果家族と離れて暮らさざるを得なくなった独居老人のケアを現在も行っている人もいる。同様な活動を地元で地道に展開している本宗教師も多い。そして阪神・淡路大震災の経験が生かされ、本宗各派でも救援支援活動の組織化、体制が確立されてきたことは鎮護国家、済世利人の実践として特筆すべきことである。
二十三回忌は追悼と慰霊の祈りの場である。震災の記憶を風化させることなく、震災を経験していない次世代に伝えることだけでなく、災害の経験を宗教者自身の信仰の中でどう捉え、いかに被災者の安心につなげる実践をして行くかが重要ではないだろうか。
今年東日本大震災七回忌、熊本・大分地震一周忌が営まれる中で、回忌法要を重ねる意義と被災された方々により添い続ける決意を心に刻みたい。(平成29年2月5日号)