災害列島に生きる。熊本地震一年を迎え

投稿日:2017年04月26日

去る四月十四日、熊本地震から一年を迎えた。高野山真言宗では熊本市内の正福寺に於いて、佐々木社会人権局長導師のもと第九地域伝道団役員及び同県支所下の住職が出仕して「物故者一周忌追悼・被災地早期復興祈願法要」を厳修した。今年上半期で阪神淡路二十三回忌、東日本七回忌と、大震災の回忌法要が続いている。改めて日本が災害列島であることを肝に銘じた。
熊本地震から一年が経過した現在も、被害が甚大だった寺院の中には、復興への具体的な見通しが立たない所も少なくない。地域・寺院ごとに事情が異なるため、被災状況に応じたきめ細かい支援が必要なのは言うまでもない。
仏教者が行う継続的な支援の第一歩として、最も大切なことは、被災地の状況に関心を持ち続けることではないかと思う。被災地を忘れないことは、自分の居住地も被災するかもしれないという緊張感ももたらす。阪神淡路、東日本、熊本の各大震災、更には毎年のように発生する台風被害等々、続発する自然災害はそうした不断の備えの必要性を強く我々に訴えてくる。
そうした中にあって、豊山派群馬県邑楽宗務支所(石原照盛支所長)では東日本大震災以降、毎年四月の住職総代連絡協議会総会に於いて、檀信徒と共に自然災害罹災者追悼法要を厳修して災害の沈静化・被災者の心身の安寧を祈願している。支所で檀信徒と一緒に福島県の被災寺院を訪れ、現状を把握し、復興への支援のあり方を模索する活動もしているという。
こうした事例は、同じ災害列島に生きる仏教者として共に祈りを実践し、被災地に寄り添う決意を新たにする取り組みと言える。災害列島に生きる仏教者の務めは、そこから始まるのではないか。(平成29年4月25日号)